将棋

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将棋

将棋(しょうぎ)は、日本将棋(にほんしょうぎ)、本将棋(ほんしょうぎ)ともいい、2人で行うボードゲーム(盤上遊戯)の一種である。チェスなどと同じく、インド古代のチャトランガが起源と考えられている。『レジャー白書』によると将棋人口は推定600万人である。

概要

日本では特に本項で述べるいわゆる「本将棋」が普及しており、中将棋もわずかではあるが愛好家が存在する。他に小将棋から派生したと推定される朝倉将棋が福井県を中心として残されており、主に福井県内のイベントなどで朝倉将棋の大会が開かれている。

本将棋は持ち駒の観念があることが特徴で、これは諸外国の将棋類似のゲームにも例のない独特のルールである(近年は持ち駒を利用したチェス派生のゲームも考案されている)。

本将棋の他にも、盤のマス目の数や駒の種類を変えたり、将棋の盤と駒を利用して別のルールで遊んだりする遊戯が考案されている。本将棋以外の将棋、および将棋に関連する遊戯については、将棋類の一覧を参照されたい。

ゲーム理論の分類では二人零和有限確定完全情報ゲームに相当する(2007年現在の日本将棋連盟公式ルールを前提とする)。

将棋人口の概要

レジャー白書』(財団法人社会経済生産性本部)によると、1年に1回以上将棋を指すいわゆる「将棋人口」は、1985年度の1680万人から、2005年度840万人、2006年度710万人、2007年600万人と漸減傾向が続いている。

将棋人口が半減した上記の期間に、将棋が一般メディアに取り上げられたことは何度かある。代表的なものでは、羽生善治の七冠達成(1996年)、将棋を題材としたNHK朝の連続テレビ小説ふたりっ子』の放送(1996年)、中原誠林葉直子の不倫報道(1998年)、瀬川晶司のプロ編入試験(2005年)、名人戦の移管問題(2006年)、羽生善治の最年少で1000勝(2007年)などである。しかしいずれも「将棋ブーム」を生むには至らず、取り上げ方によってはファン離れを加速するものとなっているものもある。

また、1996年頃からJava将棋やザ・グレート将棋など、盤駒を利用しなくともインターネットを通じて対局ができるインターネット将棋が普及しはじめ、現在は、1998年に運営を開始しアカウント延べ数20万人の将棋倶楽部24や、近代将棋道場、Yahoo!ゲームの将棋などによる対局が広く行われるようになっている。2010年には英語が公用語の81Dojoが開設され、2011年末時点で、6000人以上が登録している。

ルール

基本ルール

  • 2人の競技者(対局者)によって行われる。ここでは便宜的に自分と相手と呼ぶことにする。
  • 将棋の対局には縦横9マスずつに区切られた将棋盤を用いる。対局者は将棋盤を挟んで向かい合って対局することになるが、このとき将棋盤の自分側から3段目までのマスを自陣、相手側から3段目までのマスを敵陣と呼ぶ。
  • 将棋の対局を始めるには、を盤上の定められた位置(初形の位置)に配置する。将棋の正式な礼法では、対局者のうち上位者が駒袋に入った駒を盤の中央に取り出し、対局者はそれぞれ自陣に大橋流あるいは伊藤流の並べ方によって駒を並べてゆく。この際、上位者が王将、下位者が玉将を用いる。なお、自分側の王将あるいは玉将のことを自王・自玉という。
  • 他の将棋に類するゲーム(チェスシャンチーなど)と違い、駒に色分けなどはなく、敵味方共通の駒を用いる。ただし駒は五角形で向きが存在し、一局を通じて自分の駒と相手の駒は常に向き合う方向に配置される。したがって、駒の向いている方向によって、その駒が現在自分と相手のどちらに属しているかが表されることになる。
  • 将棋は対局者が相互に自らの駒を動かすことによってゲームが進められる。駒は王将(王)、飛車(飛)、角行(角)、金将(金)、銀将(銀)、桂馬(桂)、香車(香)、歩兵(歩)の8種類であり、それぞれ動ける範囲が決まっている。なお、玉将が出来たのは江戸時代後期で、それまでは王将二枚で構成されていた。後述する駒の動きを参照のこと。これらの駒のうち、飛、角、銀、桂、香、歩については成る(後述)ことによってが駒の動きが変化する。将棋駒のうち一方向に向かって何マスでも進めることのできる飛車、竜(成った飛車)、角、馬(成った角)、香のことを総称して「走り駒」という。なお、「駒の利き」とは盤上にある各駒の効力が及んでいる範囲(機能している範囲)をいい、各駒の移動可能となっている範囲に相当する。
  • 盤上の駒は常に1つのマスに入ることになる。1つのマスに複数の駒が存在したり、1つの駒が2つ以上のマスに同時に存在することはできない。
  • 対局において先に駒を動かし始める側の対局者を先手、そうでない側の対局者を後手という。将棋では一局を通じて先手と後手が交互に盤上にある自分の駒のいずれか1つを一度動かすか、持ち駒(相手から取って自分の駒となった駒。後述)を1つ盤上に置くことを1回ずつ繰り返す。この手順における一回の動作(盤上の駒を動かす又は持ち駒を盤上に置く)を「一手」と呼び、動詞としては盤上の駒を動かす場合には「指す」、持ち駒を盤上に置く場合には「打つ」という。
  • 自分の番(手番)が来たら、必ず盤上の自分の駒のいずれか1つを一回動かすか、持ち駒を1つだけ盤上に打たなければならない。二手続けて指したり(二手指し)、パスすること(自分の駒を全く移動せず、持ち駒も打たないこと)はできない。
  • 盤上にある自分の駒は、その駒の種類に応じて駒の動きに書かれている範囲内に存在するマスであれば、どこにでも移動させることができる。ただし、以下のような制限がある。
    • 本来の駒の動きの範囲内に含まれていても、盤上に存在しないマスには移動できないので、それぞれの駒の利きは盤上のマスの範囲に限られる(飛、角、香などの走り駒の移動できる範囲は盤の端のマスまでになる。また、盤の端に近い位置にある駒は移動できる範囲がマスのある範囲に限られる)。
    • 駒の移動においては、それぞれの駒は原則として他の駒を飛び越して移動することができず(桂馬は例外。後述)、また、盤上の駒は常に1つのマスに1つの駒しか入ることができないことから次のような制約がある。
    1. 自分の駒を移動させることができる範囲内に他の自分の駒が既に存在する場合、その駒によって塞がれているマスには入れない。また、他の駒を飛び越すことはできないので、他の自分の駒を飛び越して先のマスへと移動することもできない(自分の駒が移動可能な範囲は他の自分の駒が存在するマスの1つ手前のマスまでとなる)。
    2. 自分の駒を移動させることができる範囲内に相手の駒が既に入っている場合、その相手の駒を取って自分の「持ち駒」とした上で、自分の駒をその相手の駒が存在したマスの位置に動かすことができる。したがって、自分の駒が移動可能な範囲は、その相手の駒が存在するマスにまで及ぶことになる。ただし、他の駒を飛び越すことはできないので、飛、角、香などの走り駒であっても、移動範囲を塞いでいる駒自体を取ることはできるものの、移動範囲を塞いでいる相手の駒を飛び越して先のマスへと移動させることはできない。
    3. 桂馬は他の駒とは異なり移動可能なマスが元のマスから離れた場所にあるため(後述する駒の動きを参照)、周囲のマスに他の駒があっても、それを飛び越して移動することができる。ただし、桂馬の移動可能なマスに既に自分の他の駒が入っていて塞がれているときは移動できない。なお、桂馬の移動可能なマスに先に入っている駒が相手の駒である場合には、その相手の駒を取ってそのマスへ移動することができる。
    • 以上のほか、玉将の位置との関係で、自分の駒を移動させることによって自玉を相手駒の利きにさらすことになる場合には、後述する反則または禁じ手に該当することとなり移動できない。
  • 持ち駒は盤上の空いているマスであれば、後述する反則または禁じ手に該当する場合(二歩や行き所のない駒となる場合)を除いて、好きなところに打つことができる。

成る

  • 前述のように盤上の相手側3段を敵陣と呼ぶが、玉、金以外の駒(飛、角、銀、桂、香、歩)は、敵陣に入るとき、敵陣の中で動くとき、敵陣から出るときに「成る」(駒を裏返す)ことができる。成った駒を成駒と呼ぶ。
  • 駒が成った場合には駒の動かせる範囲が変化する。成りによって、飛は竜王(竜)、角は竜馬(馬)となり、それぞれ飛・角の元々の駒の動きに加え全方向1マスの範囲にも動けるようになる。また、成りによって、銀は成銀、桂は成桂、香は成香、歩はと金となり、以後、これらの駒は金と同様に扱われる。歩が成った場合には金と同様に扱われるので、同じ縦の列に成った歩(と金)と歩が並んでも後述の二歩の反則にはならなくなる。
  • 成りは強制ではなく、後述する反則に該当する場合(行き所のない駒になる場合など)を除いて、成らないこと(「不成(ならず)」と称する)を選択することもできる。一度、不成を選択した場合であっても、以後、その駒が成る要件(敵陣に入るとき、敵陣の中で動くとき、敵陣から出るとき)を満たすたびに、成ることを選択することができる。なお、成らないまま敵陣から出た駒は、もう一度敵陣に入るまで成りを選択することができない。
  • 上述のように成るか否かは任意で強制ではない。銀、桂、香については、成ってしまうと元々移動が可能だった位置に移動できなくなる不都合を生じることがある(例えば銀が成ると真後ろと左右の位置には移動できるようになるが、両方の斜め後方の位置には動かせなくなる)ので実際の対局では成るか成らないかは慎重な検討を要することもある。これに対して、飛、角、歩については、成っても元々移動が可能だった位置に移動できなくなるという不都合を生じることはないので、成りが選択されることがほとんどである。ただし、極めて稀に将棋の終盤において、駒が成って利きの範囲が広がることで相手の玉将が逃げることができずに一つのマスに釘付けの状態になり、(盤上の駒では詰ませることができず、持ち駒が歩のみであるなどの理由で)相手の玉将を詰ませる手段が後述の反則手である打ち歩詰め以外にはなくなってしまうという局面を生じることがあり、このような打ち歩詰めの手順となる局面を回避するために、あえて駒を成らない場合もある。その逆に、成ることによって自玉に詰みが生じるのを回避するために、あえて駒を成らない場合もある(大抵は、成ってしまうと自玉の打ち歩詰めが解消されてしまうケース)。
  • 成る時には、まず成る前の駒の動きに沿って動かし、動かした先のマスに駒を裏返して配置する。銀、桂、香の裏面には「金」の字が崩して書いてある(歩の裏面の「と」も本来は「金」あるいは同音の「今」の字を崩したもの)が、もともとの駒の種類が分からなくならないように各駒の種類に応じて裏面の「金」の字体は変えてある。
  • 一度成った駒は相手に取られるまで成駒としての性質を失わず、相手の持ち駒となるまで元の駒の動きに戻すことはできない。
  • 成った状態の駒を打つことはできない。持ち駒を敵陣に打つ場合も、成る前の駒を打つ。また、相手の成駒を取って自分の持ち駒とした場合、駒は成る前の状態に戻る。

駒の動き

元の駒 動き 成駒 動き
玉将(ぎょくしょう)
王将(おうしょう)
玉(ぎょく)
王(おう)
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全方向に1マス動ける。 - - -
飛車(ひしゃ)
飛(ひ)
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縦横に何マスでも動ける。
駒を飛び越えてはいけない。
竜王(りゅうおう)
竜(りゅう)
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飛+銀の動き。
角行(かくぎょう)
角(かく)
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斜めに何マスでも動ける。
駒を飛び越えてはいけない。
竜馬(りゅうめ、りゅうま)
馬(うま)
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角+金の動き。
金将(きんしょう)
金(きん)
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縦横と斜め前に1マス動ける。 - - -
銀将(ぎんしょう)
銀(ぎん)
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前と斜めに1マス動ける。 成銀(なりぎん)
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金と同じ。
桂馬(けいま)
桂(けい)
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前へ2、横へ1の位置に移動できる。
その際、駒を飛び越えることができる。
成桂(なりけい)
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金と同じ。
香車(きょうしゃ、きょうす)
香(きょう)
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前に何マスでも動ける。
駒を飛び越えてはいけない。
成香(なりきょう)
90px
   
金と同じ。
歩兵(ふひょう)
歩(ふ)
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前に1マス動ける。 と金(ときん)
と(と)
90px
   
金と同じ。

上の表では便宜的に成銀を「全」、成桂を「圭」、成香を「杏」と表示している。この表記は、将棋駒の活字がない環境で(特に詰将棋で)しばしば用いられる。成銀を「全」、成桂を「今」、成香を「仝」、と金を「个」で表す流儀もある。成銀、成桂、成香、と金は全て「金」と表記されているのが実際で、くずし方を変えることで成る前の駒がわかるようにしている。王将と玉将では役割が同一であっても先手が玉将を持つ事で後手と区別している働きが存在する。

ゲームの進め方